発芽玄米に含まれるフィチン酸の効能

2016年6月20日

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はじめに

フィチン酸は、一般的にあまり身体に良くない成分だと言われています。発芽玄米に含まれているフィチンは、一体どのような効能があるのでしょうか。

フィチン酸とは

フィチンはイオンと結合してフィチン酸になるフィチン酸は強力なキレート作用を持っていて、体内にあるミネラルを排出します。実は玄米に含まれているのは、フィチン酸ではなく、フィチンという成分であるというのをご存知ですか。
フィチン酸というのは、フィチンと呼ばれる物質に金属イオンが結合する事で発生する形になります。ですので、通常玄米の胚芽や表皮についている成分は、フィチン酸ではないんですよ。

発芽玄米にするとフィチンの量を減らす事が出来る

発芽玄米は玄米を水に浸して、発芽をさせたお米です。水にさらす段階で、胚芽や表皮に付着しているフィチンを分解する事が出来ます。つまり、玄米よりも発芽玄米のほうが、体内に摂取するフィチンの量を抑える事が可能です。
ここで1つ、気を付けなくてはいけない事があります。それは、発芽をすれば完全にフィチンを分解させる事が出来る訳ではないという事です。
微量ではありますが、フィチンは発芽玄米にしても残っているという事を覚えておきましょう。

自宅で発芽玄米を作ればフィチンを分解出来るのか

自宅でしっかりと水に浸せば、発芽玄米を作る段階で、フィチンをきちんと分解出来るのではないかという意見もあります。ですが、玄米を水に漬ける際には、気を付けなくてはいけない事が沢山あるんです。
一番気を付けなくてはいけないのが菌です。32℃程度のお水に2日間程度漬けるとなりますと、菌が非常に発生しやすい環境を作ります。
食中毒の原因になる菌も発生させるリスクがありますので、知識が無い素人が玄米を発芽させるのは、実はものすごく大変なんですよ。

フィチン酸の効能、デメリットばかりではない

フィチンはイオンと結合してフィチン酸になるフィチン酸は一般的にデメリットばかりが取り上げられていますが、実はデメリットばかりではありません。フィチン酸には強力なデトックス効果があると言われているんです。
また、キレート作用により、農薬やダイオキシンの原因とも言える金属類を体外に排出する効果も期待出来ます。ミネラル成分も多く排出してしまうので、食事の際に意識をして摂取すれば、そこまで大きなデメリットではないと言えるでしょう。

フィターゼの効果を活かそう

フィチン酸はフィターゼと呼ばれる消化酵素がある事で、体内で分解されます。つまり、フィターゼの効果を活かせば、ミネラル成分が体外に排出されずに済むという事です。玄米にもフィターゼはありますが、発芽状態にすることでより活発にする事が出来ます。
つまり、発芽玄米にする事で、実はフィターゼも一緒に摂取する事が可能なんです。ですが、いくら栄養価が高いからと言いましても、発芽玄米だけを摂取するといった食生活を行いますと、ミネラル不足になる可能性があります。発芽玄米の栄養素を効率よく体内に取り込むためにも、バランスの良い食生活を心がけましょう。

おわりに

フィチン酸は、その強力なキレート作用で、ミネラルを排出する事から、非常にデメリットが多いのではと勘違いされやすい成分です。ですが、実はメリットも沢山あるんです。
人間の身体にとって有害だと言われている、農薬やダイオキシンの原因と言える金属成分を体外に排出してくれる効果があります。そして、体に対する予防にも、実は欠かせない成分なんですよ。ですが、健康面を気にするのであれば、食事はバランスよく摂取するようにしましょう。


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